二世帯がゆったり暮らす平屋建て

家づくりのきっかけ

実家の農業を継ぐため、県外から帰省したＫ様ご夫婦はご両親との同居を機に、実家を二世帯住宅へ
全面リフォームすることになりました。家づくりでは農家のリフォームを手掛けたこともある現在の設計士
に相談。ご夫婦の希望を融合させ、スペースを巧みに活かした住まいを叶えました。

家族が自然と集まる広々キッチン

「平屋ならではの広がりのある空間にしたかった」と語るＫ様。閉塞的な間仕切り壁を取り払い、
日当たりのいい南側に配置したＬＤＫは、動線、配色、照明にもこだわり随所に広がりを感じさせる
工夫が施されています。帰宅すると家族が顔を合わせるオープンなつくりの奥には、オリジナルの
キッチンを設置。背面には対面式キッチンカウンターを置くことで程よい目隠しとして、さらに空間
を意図的に仕切る役割を両立しています。また「以前は見ることができなかったので」と庭を眺める
Ｋ様。キッチン横にはご両親の大切な庭を眺められるようにと大きな窓を取り入れ、暮らしに潤いと
彩りを添えました。

二世帯ならではのちょうどいい距離感や農作業後の水周り（外の洗い場や作業後の入浴）など暮らし
に合わせた選択と工夫の住まいに、ご満悦のようでひとつ屋根の下で和気あいあいと暮らしを満喫
しているそうです。

 

親世帯と子世帯

4.5帖の和室・廊下・３帖の居間に分かれていた既存の間取りをひとつに、ご夫婦の寝室へと変更。
押入れ・クローゼットを組み合わせて大容量の収納を確保しました。
ご両親の居住スペースは、縁側・4.5帖の和室を洋室に変えて隣り合う和室と一体化。また親世帯
にも使用頻度の高いキッチンや洗面台、トイレなどの設備を設け暮らしにゆとりをもたせています。

農作業後の水まわり

建物西側には、玄関とは別に勝手口を配置。入口近くには汚れを落とす足洗い場や作業着を洗う
洗濯機、雨の日でも安心な物干しスペースを設けました。また農作業で汚れた後は、勝手口から
直接出入りでき洗面脱衣所、浴室、トイレへとスムーズに行ける効率のよい動線を実現したことで
汚れる心配がなくなりました。

伝統的な趣を残す

ご夫婦こだわりの玄関は既存の梁を活かした吹き抜けが、開放感を生み出しています。また
高さのある敷居は、ご両親への気配りから段差を解消するため２段のステップと手すりを設置
しました。
外観は全体の印象はそのままに、外壁はガルバリウム鋼板で化粧を施し既存の風合いと調和
するように再生 しています。

 

 

設計：ムーデザイン事務所
施工：大谷建築