フォトスタジオ 「 RUFDⅰP ラフディップ 」
家づくりのきっかけ
以前は実家のスペースに仕事場をかまえられていましたが、手狭になったてきたことや建物が古くなってきたこと
からこの写真館を建てようと思われたそうです。まず建てるにあたりご夫婦で考えられたことは、「どうしたら失敗
するのか」ということでした。失敗から学ぶ発想の転換が、田園風景に溶け込む建物をつくり、広い駐車場を兼ね
備えカフェやギャラリーなどを併設することで多くの人が訪れやすい魅力的な場所をつくりだしました。
自由な発想と撮影スタイル
従来の写真スタジオとしての空間だけではなく、カフェやギャラリーなど多目的なスペースとしても活用できる館内。
また自由な発想は撮影スタイルにも活かされ、館内すべてが撮影スタジオとなりシーンに応じて使い分けられるよ
うに空間を配置しています。
南面に大きく開いた窓は十字架をモチーフとした窓枠をはめ込み、室内に差し込む光の表情によって趣きを変え
ます。絵画の額縁のような姿見鏡があるメイクルームは、ウエディング撮影用の着替え室。このおしゃれな壁紙は、
奥さまがセレクトされたもの。大きな吹き抜け空間が広がり天井からはシャンデリアが吊り下げられ非日常的な
時間がそこには流れていました。撮影以外の日は、アンティーク家具が置かれたクラッシックな小部屋としてティー
タイムを楽しむ場所になる予定だそうです。
建物の中央には、自然との調和を大切にして中庭を配置。敷地内には様々な植物や木が植えられ東に面した
ウッドデッキにでるとシンボルツリーが出迎えてくれます。
階段を上り2階オフィスへと続く渡り廊下は、吹き抜け空間に架かった橋のように開放感がいっぱい。館外に設置
した階段の踊り場も大切な撮影スペースとして活用されています。
「家は完成してから60%、住み始めてから自分らしさを加えていくことで100%に完成するのだと思います」と
語られるご主人。これから、多くのお客様との思い出を織り込みながらラフディップらしい色が塗り重ねていかれ
ます。
田園風景に溶け込む「写真館」
地平線の先に新緑の山を望み広大な田んぼがつづく道を走り抜けると、田園風景の片隅に見えてくる落ち
着いた色合いの建物、フォトスタジオ「RUFDiP ラフディップ」。美しく繊細なその風景をこわさないように、
やさしく包み込むように佇んでいます。
外観は、シンプルでスタイリッシュな片流れ屋根と杉板の横貼り仕上げ。周辺の風景との調和を大切にして
味わい深い色合いに塗装しました。南玄関サイドには、珪藻土塗りのアプローチが玄関に続きサイドの古レン
ガ積みの壁がおしゃれを演出。アンティークのドアが、より建物に味わい持たせています。
また、夜になると建物の適所に設置された照明と窓からこぼれる室内のあかりが相まってあたたかみのある
陰影を醸し出します。
魅力的な場所づくり
吹き抜けを設けた多目的スペースは南側に設け、天井に大きな窓を取ることで明るい日射しが部屋の奥まで
降り注ぎます。東側の壁には、横長の小さな窓にあわせて造られた机にイスが2つ並べられ待ち時間などに
そこに座り田園風景を眺めるとほっと癒される場所でもあります。白い壁にパイン材のフローリング、そして
お気に入りのソファアやオリジナル家具、アクセントカラーの青い絨毯が部屋の雰囲気をおしゃれにまとめ
いつまでものんびりとここで過ごしたくなる空間をつくりあげています。
併設されたオープンキッチンは、これから多くのお客様と楽しくコミュニケーションを深める場所として活躍する
予定です。その横にある階段を上ると、2階にはこだわりの本がたくさん並べられている図書コーナーがあり
ます。 こうして、いろいろな表情をせみるラフディップ。もう一度、訪れてみたくなるような魅力がまだたくさん
隠されているようです。
つながりを大切にしたオフィス
桧のフローリングがやさしい印象を与えてくれるオフィス。隣接する壁側には、透明なガラス窓を設けて
どの場所からもつながりを感じられるつくりになっています。手作りの家具を配置し、居心地のよい場所
にスタッフからの評判も上々だそうです。
設計:ムーデザイン事務所
施工:大谷建築