上質な暮らしを叶える木の住まい
家づくりのきっかけ
「小さな子どもたちと暮らせるわずかな時間を、のびのびとした家で過ごしたいと思い新築を決めました」
と語るK様ご夫婦。家づくりでは「平屋で、どこにいても家族の気配を感じられるつくり」「夏は涼しく、冬は
暖かな自然素材」「動線を考えた間取り」など幾つかの要望を盛り込みました。
家族がつながるのびやかな空間
薪ストーブのある土間空間からつながるワンルームのLDKは、約21帖もの広さ。屋根の傾斜を
そのまま天井に反映させたことで圧倒的な開放感に満ちています。また天井の杉板化粧張り、
床のカバ桜のフローリングの組み合わせが、木成りの家ならではの温もりとやすらぎを与え、建物
中央に据えた存在感のある大黒柱や四方から幾重にも組み込まれた梁が「木」の逞しさ、凛とした
美しさを創り出しています。
そんな木質感のある空間に添えられたのはデザイン性にこだわった建具や照明。
おおらかでのびやかな大空間では、子どもたちが元気に走り回り、隅々まで室内を見通すことが
できるキッチンからはLDでくつろぐ家族を優しく見守ることができます。さらにリビングとつながる
洋室には、子どもたちが絵を描いたり勉強をしたり、ご夫婦が作業するなど多目的に使えるデスク
コーナーを設置しました。
また続き間の和室は、ある時はお子さんのお昼寝スペース、ある時は家事スペースとして多目的
に活用しています。
平屋建てならではの空間をゆるやかにつなぐ間取りは、どこにいても家族の気配を感じることができ、
効率的に生活動線を結ぶことで暮らしにもゆとりを与えています。
自然豊かな里山ならではの環境も魅力のひとつです。それを感じさせるのが多くの窓。吹き抜けに
設けた窓からは明るい日差しが降り注ぎ、大きな窓から見えるゆず畑は借景として、またリビングや
和室側の窓を開ければウッドデッキへとゆるやかにつながり豊かな風と光・景色をもたらしてくれます。
こうして自分らしい暮らしを丁寧にかたちにした住まいに日々幸せを感じているそうです。
山里に馴染む落ち着きのある佇まい
緑豊かな山里を背景に佇むK様邸。水平ラインの美しい切妻屋根にシルタッチの壁、そして自然石
の形状を活かした石積みの壁やストーブの煙突、ウッドデッキを組み合わせた外観は、スタイリッシュ
な趣を持ち合せながらも自然の風景に溶け込んでいます。
建物北側の屋外スペースは、物干し場として活用。勝手口からそのまま気軽に出入りできるので雨の
日でも安心して洗濯物を干せます。
薪ストーブのある暮らし
玄関に続くアプローチには古いレンガを埋め込みアクセントに。導かれるように進み玄関を開けると
まず目に飛び込んでくるのが土間空間に設置された薪ストーブです。
「あこがれだった薪ストーブのある玄関は石積みの壁や古いレンガをレリーフに埋め込んだ床がとて
も気に入っています」と出来上がりに満足しているK様。
玄関扉のすぐ横には造作で作った収納をたっぷり設けてすっきりした玄関まわりに仕上げました。
薪ストーブに薪をくべながら暖を囲む家族の団欒は、心まで温まるやすらぎのひととき。
また薪ストーブのあたたかさが家中を心地よい状態にしてくれます。
こだわりキッチン
清潔感あふれる真っ白なタイルに合わせたのは、ステンレスのオ―ダーキッチン。天然木の味を活か
したカウンター収納は、室内の雰囲気によく馴染み使いやすさ、豊富な収納にこだわっています。
キッチンを中心に、東側にはパントリー西側には洗濯機がある脱衣室などの水まわりを集めてぐるりと
回遊できるプランにしました。
機能的な動線を取り入れることで複数の家事をこなすことができ家事の効率化を図っています。
サニタリー空間
3.5帖もの広さがある脱衣室。そのまわりにUB、トイレと水まわりを一箇所に集約させています。
床には桧のフローリング、腰壁や天井には杉板と自然素材をふんだんに使用したことで温かみを
感じる空間に仕上がりました。そのなかでアンティーク調の装飾が施されたフレームの鏡と深みの
ある色の洗面化粧台がひときはシックな印象を与えます。
設計:ムーデザイン事務所
施工:大谷建築