土間のある暮らし

家づくりのきっかけ

農家を営むＫ様は職場に近い場所に住まいを構えたいと考え、祖母と同敷地内に家を建てることを決
めたそうです。「農家という職業柄、土足でも休憩できる場所」や「祖母と共有できる浴室」「吹き抜けで
開放感がある空間」など昔ながらの生活スタイルを残しながらも自分らしいエッセンスを随所にちりばめ
た住まいを希望されました。

吹き抜けがもたらす伸びやかな空間

Ｋ様邸は室内に足を踏み入れると、目の前に広がる20.5帖の大空間に圧倒されます。２階へと続く階段
は吹抜けで高々とした天井は開放感が抜群。上下階に連なる大きな窓を組み合わせることでより広く見
せる視覚的効果を演出しました。
南側にはウッドデッキにつながる窓、リビングの上に吹き抜けを渡る廊下を設けたことで２階上部の窓か
ら気持ちのいい光が差し込み室内に快適な明るさを届けてくれます。

見通しがよいぶん、設備や建具、照明などデザイン性にもこだわり、ゆったりとくつろげる自分らしい住ま
いに整えました。

スタイリッシュなキッチン

キッチンは開放感が魅力的なⅡ列型アイランドキッチンを採用。ゆとりの収納に加えクールで清潔感の
あるキッチンカラーをアクセントに白いタイル壁、温かみのあるレンガ色のタイル床を組み合わせてスタ
イリッシュに仕上げました。
またキッチンの床を一段下げることによってキッチンカウンターとテーブルとの高さが揃い、テーブル面の
大きな広がりとキッチンからダイニングまでの一体感が生まれています。

内外をゆるやかにつなぐ土間

玄関へと導く自然石のゆるやかなアプローチの先にあるのが、母屋に隣接する玄関土間。長靴や作業着
のまま出入りができる7.5帖の広い土間は、畑仕事の合間の休憩や近所の人との交流ができる多目的な
スペースとして活用しています。さらに玄関を通り抜けた北側には農作業後の汚れを落とすための足洗い
場、手洗い場、洗濯機、物干しスペースを設置。屋内と屋外をゆるやかにつなぐ土間が快適な暮らしを支
えています。

癒しの空間

祖母と共有できるトイレ・洗面・浴室は玄関土間隣に設置。農作業後の気になる汚れやニオイを家の中に
持ち込ませない役割を果たしています。内装は、床に桧のフローリング、腰壁は杉板を貼り自然の癒しを
感じることができるシンプルなデザインに。白いタイルが素敵な洗面カウンターやオリジナル収納棚が遊び
心と機能性をプラスしています。

設計：ムーデザイン事務所
施工：大谷建築