充実した収納と暮らしやすい住まい
家づくりのきっかけ
土地区画整理事業により新しい土地に移転、建て替えることになったN様。造成工事完了までに
一定期間を要したこともあり、時間をかけじっくりと打ち合わせを重ねられました。
家づくりでは、「年齢を重ねても快適に過ごせる間取り」「片づけやすく、すっきりと暮らすための
収納」「木の温もりを感じるデザイン」など、日々の暮らしを快適に過ごす住まいを希望されました。
視界が広がる開放的なLDK
住いの中心となるLDKは、キッチンからダイニング、リビング、そして和室がゆるやかにつながる
大空間。そのため日当たりのいい南側の大きな窓からは部屋の奥まで陽射しが降り注ぎ明るさが
部屋全体に広がります。また内装には、桧の床材と素朴な仕上げの梁、木目調の建具やインテリア
を効果的に用いることで、木の温もりを感じられる住空間を演出しました。
「キッチンやリビングまわりは、ものが増えがちなので見えないように収納したいというのも要望の
ひとつでした」と語るN様。
そこで、生活空間をいつもすっきりとした状態に保つために、キッチンの奥には食器やストック品
などを収納できるパントリーを設置。来客時には引き戸を閉めることで隠すこともできます。
さらにリビングには、テレビ台やパソコンデスク、書類などをしまう収納を一体化させた壁面収納を。
扉をつけることで雑多なものが目につかず「みせる」「つかう」「しまう」のバランスを保ちながら、
素朴なインテリアとして色を添えています。
こうして完成した新しい住まいに、暮らしを楽しむゆとりが生まれたと笑顔で語られるN様。趣味で
もある山登りや南面に配した庭を手入しながら寛ぎの時を過ごされているそうです。
ゆとりをプラス
広々とした玄関の横には、靴やコート、登山用のアウトドア用品などがたっぷりとしまえる土間収納を
設けています。この土間収納は利便性を考慮して、玄関からだけでなく廊下へと通り抜けられるウォー
クスルータイプ。玄関をいつもすっきり保つことができます。さらに、約7畳の広さを持つクローゼット
に加え、階段下や小屋裏など多様な収納スペースも設置。収納物の大きさや目的に応じて自由に
使い分けることができるようになっています。
また、子どもや孫、親戚がいつでも宿泊できる場所にしたいとの思いから、2階にはトイレなどの水ま
わりと2部屋を設置。ゆとりあるスペースが、家族の暮らしにやさしく寄り添っています。
暮らしやすさ
将来の必要性に備えてバリアフリーの設計にこだわったのも特徴のひとつ。身体に負担をかけない
ように屋外のアプローチから玄関までゆるやかなスロープを設け、扉は引き戸に、室内は段差を無く
して、各部屋につながる生活動線にも多くの手すりを設置しました。また車イスでも生活できるよう
玄関や廊下、トイレなどもゆとりある広さを確保しています。そして1階にLDK、寝室、トイレや浴室
などをまとめたことで、2階建てでありながら1階だけで生活ができる「準平屋」の間取りを実現。
これからの暮らしをサポートしてくれる住まいとなりました。
屋根のカタチ「軒」の美しさにこだわった外観
大きくリズミカルに掛けられた屋根が美しい外観に合わせるように門扉やフェンス、車庫ゲートなども
トータルコーディネート。外構全体を統一して建物との調和を演出しています。また玄関横に設置した
お洒落な立水栓は、掃除や趣味の道具の手入れ、靴の汚れなどを落とすのに大変便利。住まいに
溶け込むオリジナルのポストは、大きな投函口と大容量の収納スペースにより留守でも受け取ること
が可能になりました。
設計:CROSS建築設計事務所
施工:大谷建築