01 木ここち
あこがれだった木の家での暮らしは、やさしい時間を運んでくれる。 玄関のドアをあけると、ふわりと木の匂いに包まれる心地よさ。 無垢材の床を素足で歩くとき、いつも感じる温かいその肌ざわり。 ゴロンと畳に寝転がり、天井を見上げると大きな梁や壁に使われた杉板の美しい木目模様に、日々の疲れを忘れ自然の癒しを感じる。 木の家は、香りや手触り、木目、風合いなど五感を感じながら暮らしを自然体につなげてくれる器だと思う。
長年の夢だった木の家での暮しは、毎日が楽しく心にほっとする和みを届けてくれます。
例えば「ただいま」と玄関を開けると、体を包み込むような木の香り。
一歩一歩踏みしめるたびに足の裏で感じる肌ざわり。
美しい木目のキッチンで料理をつくる楽しみ。
あかりに照らされた木の色は、とても暖かく、帰ってくる家族を優しく迎えてくれるようにも感じます。
こんな小さな暮しの発見ですが、なんとなくしあわせだなと思えます。 それは木のもつぬくもりが心身ともにリラックスできる空間をつくり、 やすらぎを与えてくれるからではないでしょうか。
木造3階建ての住まいを支えるのは、大きくて存在感のある柱や梁です。
木は、他の素材に比べても経年変化に強く素材の持つ強さとしなやかさは時として、そこに住まう人を守り安心を与えてくれます。
その木の美しさを見せることにもこだわり、
木組みをおもてにあらわす「真壁づくり」工法を取り入れました。
最近では、表面をクロスやパネルで覆う「大壁づくり」が多いですが、
木をおもてにあらわすことで、木の香りや手触り、
木が空気に触れることで適度な調湿をおこなうなど
暮しに快適さをもたらしてくれるメリットがあります。
このほかにも、床や壁にも自然素材の無垢材を使用しました。
これから暮すほどに味わいの深さを知る木の家。
木目の変化や時とともに増していく趣を感じながら
家族と一緒に年輪を重ねていく、
そんな喜びを感じられるのも木の家ならではだと思います。
*次回の物語は「ちょうどいい距離」です。