02 ちょうどいい距離
自分も年齢を重ねるごとに、両親も同じように年齢を重ねていくもの
「ちゃんとご飯は、食べているだろうか」
「体の調子は、大丈夫だろうか」
その暮らしが心配になり、いつもそばにいてあげたいと思うようになった。
家族がそばにいる暮らし
二世帯住宅は、ひとつ屋根の下で一緒に暮らすことができるので
お互いの生活を見守り、ときには助け合いながら暮らすことができ
安心です。でも生活時間やライフスタイルが異なる世帯が一緒に
暮らすには、工夫も必要ではないでしょうか。
いろんな暮らし方がありますが、わたしたちは玄関と浴室は共有に
キッチンやリビング・トイレなどの生活の一部を別々にするスタイルを
選びました。
1階、玄関ホールのすぐ隣にある母の部屋。床には無垢材の桧
を敷き詰め、白い壁とやわらかい色合いのカーテンで落ち着いた
雰囲気を演出。昼下がり大きな窓からは、たっぷりの陽光が差し込み
ここでひなたぼっこをするのが母の楽しみです。また母の部屋には、
キッチンまわり・収納スペース・トイレなどを設置。
これなら生活時間のズレを気にせず、それぞれの時間を大切に
することができます。
2階にはキッチンのほか、トイレ・浴室・洗面所などの水回りを配置。
リビングにはみんなが揃って食事をとれる大きな堀こたつのテーブルを
置き、家族の団らんを大切にしました。
3階には、わたしたちの主寝室と子ども部屋・まるごとしまえる
大収納空間を実現。
こうして、「ちょうどいい距離感」が個々のゆとりの時間を充実させ
お互いがくつろげる住まいへとつながっています。
母へのプレゼント
昔から物を大事にする母のために、タンスも入るウォークイン
クローゼットを用意。手元が見えやすいように天井には電気を
つけて使いやすさにもこだわりました。
いつでも、欲しいものがすぐに取り出せるので母も喜んでいます。
おいしさを届けます
小さな畑で、野菜や花を植えて楽しむ母。
「今晩は、畑でとれたほうれん草で和え物をつくるね」
こんなふうに、さりげなく家事を手伝ってくれるのでいつも
助かっています。
身長に合わせてちょっと低めにつくったキッチンで、
自慢の料理を作る母。
自分だけのキッチンがあることは、やはり女性には嬉しいもの。
使いやすさだけでなく、食べたいときに自分でさっと料理ができるので
とても便利です。
家族が揃う夕食時、母のおいしい手料理を囲みながらみんなの中に
どんどん幸せな気持ちが満ちてゆきました。